YUKIKO HATTORI Part.1

第4回目の対談ゲストは、ウエディング業界で活躍するヘア&メイクアーティストの服部由紀子さん。

名古屋のヘア&メイクサロン『ceu』の代表でありながら、全国各地を飛び回り、ブライダルヘア&メイクからウエディングディレクションまでこなす服部さんは、今やインスタ(@ceu0116)のフォロワー数が約5万人! 一年中花嫁さんからの指名が絶えない大人気ヘア&メイクアーティストなんです。


その活動内容は追ってうかがうとして、まずは今の仕事にたどり着くまでの軌跡についてのお話から。一から自分の手でサロンを作り上げたという並々ならぬ努力家な一面も垣間見え、働く女性として共感できる興味深い内容でした♡

小脇(以下、小):ウエディング業界で働く女性同士でお話できれば・・・と今回オファーさせていただきました! インスタで公開されているブライダルヘア&メイクがどれも素敵で・・・。

服部(以下、服):ありがとうございます!


小:服部さんって、肩書きは“ヘア&メイク”でいいんですよね?ブログやインスタを見ていると、サロン経営からウエディングのディレクションまで幅広くやられているようですが。


服:そうなんです。もはや肩書きはなんでもいい・・・というかひとつではないので、お好きに決めてくださいと言っています(笑)。


小:このお仕事をするようになったきっかけというか、このお仕事にいきつくまでについて教えてください。


服:大学で社会福祉を専攻していて、そこで医療メイクという存在を知りました。例えば顔にやけどをした人に対して皮膚の再生やメイクを施すことで「美」を提供し、精神的なダメージを少しでも和らげてあげるというものなんですが、その「美」を提供するということに興味がわいて。そんな中、「美」を勉強する場として写真館で学ばせていただくことにしたんです。そこで感じたのが、日本のウエディングスタイリングってなんて古いんだろうということ。それからブライダルヘア&メイクに興味を持ちました。


小:大学での専攻は、今のお仕事と全然違う分野だったんですね。そこからブライダルヘア&メイクに結びつくのがおもしろい!


服:もっともっと専門的にブライダルヘア&メイクが学びたいと思い、結婚式場のヘア&メイクとして働き始めました。そこでは2年間働いたのですが、ずっと同じ場所にいては自分の感性が育たないと感じて、25歳のときに独立を決めて・・・。


小:すごい行動力ですね。


服:お客様の声に後押しされましたね。式場で担当したお客様に、「また服部さんにセットをお願いしたい」と言われることが増えていって。式場にいるかぎりブライダルの仕事しかできない、私にまたお願いしたいと言ってくださっている方をもう一度担当はできないんだと思うと居ても立っても居られなくなって。貯金していた50万円を握りしめて、サロンの開店に踏み切りました。


小:本当に一からの出発って感じだったんですね。開店してからは順風満帆だったんですか?


服:順風満帆とはいえないかもしれませんね。最初のサロンはマンションの一室だったのですが、当時人気のあった女性誌に取り上げていただいたこともあり、外のらせん階段までズラッとお客様が並んでくれたこともありました。ただ、女性1人で立ち上げたということもあって、同業の方から反感を買うこともあって…。つらい時期もありましたが、お客様からの「服部さんのセットでかわいくなれた」という声を聞くと、踏ん張ることができたんです。


小:お客様に支えられてここまでやって来られたんですね! 現在店舗は名古屋に3店舗あると伺いましたが?


服:はい。リピートして下さるお客様が増えたこともあり、セットサロン2店舗とウエディング専門のサロンを1店舗開店しました。

小:ちなみにセットって、どのくらいのお値段でできるんですか?


服:うちは“上手い、安い、早い”をモットーにしていて(どこかで聞いたことのあるフレーズですね笑)、セットは約20分、¥2600~でできます。


小:うわー、それめちゃくちゃ良心的! 結婚式に参列するときとか、セットで¥5,000くらいかかると正直イタイな…と思っちゃうので、そのお値段なら行きたくなりますね。東京にもぜひ出店してほしい!!


服:(笑)。がんばります!


小:ブライダルサロンをオープンさせたのは、どういった経緯があったんですか?


服:もともとブライダルヘア&メイクが得意だったのもあって、プレ花嫁さんからのオーダーがものすごく多くて。私の仕事は単に当日ヘア&メイクをして終わりというのではなく、その方の人となりをよく知った上でヘア&メイクを提案しています。なので、生い立ちを聞くことから始まって、どんなことが好きかとか徹底的にリサーチをするんです。もちろんドレスの写真も見せてもらいますし、一緒に選びに行くこともしばしば。そうしているうちに、ヘア&メイクだけでなくペーパーアイテムやブーケも一緒に考えて欲しいと言ってくださるお客様もでてきたので、だったら落ち着いてウエディングの話ができるサロンを作ろうと思ったんです。


小:もはやヘア&メイクではなく、ウエディングのディレクターですね。名古屋だけでなく、全国から指名がくるとか?


服:ありがたいことにインスタを見て指名をしてくれる方が増えてきたので、全国各地に出張してブライダルヘア&メイクをしています。


小:海外もありですか?


服:イタリアとハワイで挙式する2組の方に「ぜひ一緒に来てほしい」と言われ、これから出張させていただく予定なんです。


小:すごい! 休日なんてなさそうですが…。


服:ないです。でも仕事が趣味なので、全然苦じゃないんです。業務自体は休みでも、お客様からメールが来たら即レスしないと気が済まない(笑)。そうしたいんです!

小:私も仕事が大好きなので、365日24時間仕事のことを考えちゃう派(笑)。子供が生まれてからは、土日や息子といるときはオフするようにはなれたけれど。でも仕事に対する感覚はすごく近いと感じました!


次回は、そんな仕事にかける情熱を、さらに熱く深く語ってもらいます。ドレスデザイナーとヘア&メイクという異なる視点がありつつも、同じ業界で働く女性同士の仕事にかける想いは必見です。


【STAFF LIST】

Photo:Masahiro Noguchi(BIEI)


【撮影協力】

メゾンポール・ボキューズ

☎03・5458・6324

https://www.hiramatsurestaurant.jp/paulbocuse-maison/