YUKIKO HATTORI Part.4

ヘア&メイクアーティスト服部由紀子さんとの対談も今回が最後。年間を通し、たくさんの現場を経験している服部さんだからこそわかる、最近オーダーの多いヘア&メイクや、一生に一度の結婚式で後悔しないヘア&メイクのオーダー方法について詳しく伺いまいした!

小:ブライダルヘア&メイクの流行も刻々と変わっていきますが、最近花嫁さんからオーダーの多いスタイルってどんなものですか?


服:圧倒的に多いのが低めのシニヨンスタイル。時代のトレンドが“ナチュラル”なので、ヘアもメイクもあまり作りすぎないものをオーダーされる方が多いです。ですが、実はこの“ナチュラル”って実力の差がはっきり出ます(笑)。参列者と差別化できないというか、参列する方も同じようなヘアスタイルにされている方が多いので。もちろんウエディングドレスを着ているから花嫁さんがいちばん華やかなのは間違いないのですが、差別化を図るためにも、シニヨンの大きさとか空気感の出し方とかすごく技術が問われるところだと思います。

小:なにげないヘアスタイルも、緻密な計算があってこそなんですね。


服:そうですね。あと、やっぱり花嫁さんはその日の主役。式場の扉が開いた瞬間に、参列者を魅了させるようなヘア&メイクをしてあげたいと思うんです。お色直し後も同じような雰囲気にしたいという方も多いのですが、そういった方には「ヘアでもメイクでもいいから、ガラリと印象を変えて参列者をあっと驚かせてみませんか?」と提案することも。試しにやってみるとほとんどの方が賛同してくれます。そして、新婦の友人に褒められるのは当たり前、さらには新郎の友人からも「今日の新婦の変わり具合には驚いた!」と私に声をかけてくれることも多いんです。そのくらいの変化をつくりあげるのが、プロならでは仕事だと自負しているので、自分の希望は伝えつつ、そこにプロの意見を少し取り入れてみることをおすすめします!


小:自分が好きなヘア&メイクと客観的に見て似合うヘア&メイクって違ったりしますもんね。結婚式のヘア&メイクが納得いかなかった…と後悔している卒花嫁さんも多いと聞きますが…。


服:そうなんです!! なので、もう一度納得のいくヘア&メイクをして写真を撮りなおす“Re WEDDING”というイベントを、ウエディングソムリエさんと一緒にスタートさせました。人気すぎて5分でチケットが完売してしまうほど反響をいただいていて。ビックリすると同時に、それだけ後悔している方がいらっしゃったんだなと残念な気持ちになりました。

小:すごくわかります。私も、お色直しのときにヘアスタイルをガラッとチェンジしたかったのですが、担当の方から「時間がないのでやめましょう」と却下されてしまって。


服:最初のスタイリングに次の仕込みを施しておけば、少しの時間でチェンジできるんですよね。花嫁さんがやりたいという希望を極力かなえてあげるのも、私たちの使命だと思います。


小:素晴らしいイベントだと思うので、ぜひ続けていってほしいです! 一生に一度の結婚式を後悔しないようにするために、どのようにオーダーすればいいでしょうか?


服:やっぱり打ち合わせのときに納得するまで話し合うことですね。口頭で説明するのには限界があると思うので、いくつかイメージに近いビジュアルを持って打ち合わせに臨むとなおよし。最高にきれいな花嫁さんをつくりあげることこそ、ブライダルヘア&メイクとしての最大喜びなので、遠慮せずワガママをぶつけてください(笑)。

あとは結婚の意味を勉強すること! 例えば白無垢ってどんな意味があるの?とかベールを付ける本当の意味とか…。知れば知るほど面白いし、自分の結婚式への意欲も高まって、妥協のないウエディングができるはずです。

小:プロに任せるところはお任せしつつ、自分で勉強することも大事ってことですね。プレ花嫁さんにはこの助言を頭の片隅においてもらい、最高のハレの日を迎えてほしいと思います!