YUKIKO HATTORI Part.3

ウエディング業界では知る人ぞ知る、カリスマヘア&メイクアーティスト服部由紀子さんとの対談第3回目。様々なアイディアをお客様に提供している服部さんですが、そのアイディアはどんなところから生まれるのか気になりますよね!

イメージソースや感性を磨くために大切にしていることについて伺いました。

小:お話を聞けば聞くほど服部さんの多才っぷりには驚かされますが、そのアイディアはどこから生まれるんですか?


服:世界各国の建築物を見るのが好きで、旅行や出張へ行くと美術館など有名なものからその辺に立っている建物まで、いろんな建築物を見るんです。その動きだったり素材の組み合わせからインスピレーションを受けて、それをヘアスタイルに生かしています。

小:建築からですか?


服:そう。ボリューム感とかフォルムとか…、一見関係ないように思えますが、美しいものは建築物であれヘアスタイルであれ一緒なんですよね。ほかの人がつくったヘアスタイルを参考にすると新しいものが生まれない。あえて仕事とは直接関係ないものを見ることで、新しいアイディアを生み出すことができると考えています。

小脇さんがドレスのデザインをする際に、参考にしているものはありますか?


小:私の場合は、あまりハッキリとしたイメージソースみたいなものはないかもしれません。もちろん海外のドレスブランドのコレクションを見たりはしますが、あくまで参考程度。それよりも、店舗のスタッフや式場の方など、生のお客様の声を聞いている人たちから、どんなものが欲しいか意見を吸い上げることを大事にしています。

よくあるのが、コレクションのテーマを決めて、それに基づいてモノづくりをする方法。ですが、それだとテーマに引っ張られて、本当にお客様が欲しいと思うものがつくれないかもしれない。だからテーマを決めるのはいちばん最後と決めているんです。自分のアイディアももちろん大事にしていますが、お客様の声を取り入れてこその『heureux de Misato Kowaki』だと思っています。いわゆる“デザイナー”っぽくはないかもしれませんね(笑)。


服:その考えすごく素敵だと思います! 私たちの仕事ってお客様ありきですもんね。ファンがいてくれるからこそ、私たちも成長できる。技術やセンスがあるのは大前提ですが、自分という人柄をお客様に認めてもらうことも大切。大御所だから当たり前にエライという時代じゃないですから!


小:服部さんみたい考えの方に、自分の結婚式のヘア&メイクをお願いしたかったです(笑)。私が挙式したホテルは、提携のヘア&メイクさん以外はNGだったので…。


服:そういうところ多いですよね。ビジネスなので仕方ない部分はありますが、一生に一度のことですし、もっと自由に選択肢を増やせるようになるといいのですが。


小:ドレスも同じです。『heureux de Misato Kowaki』のドレスを着たいけれど、式場が持ち込みNGや高い持ち込み料を取られてしまうから断念したという声もあって。


服:ですよね。もし提携ヘア&メイクやドレスの持ち込み料のことで困っている方がいたら、私のところに相談にいらしてほしい! しばりがない式場もたくさんあるし、希望に沿ったご提案ができると思うので。最近は式場から決めるのではなく、まず気に入ったヘア&メイクさんやウエディングドレスありきで、ウエディングプランを考えるというお客様が増えているのも事実。そんなことからも、技術や人柄を含め、自分をお客様に認めてもらうということが改めて重要なんだと実感しています。

次回で対談もラスト。最近のブライダルヘア&メイクの流行りや、結婚式で後悔しないヘア&メイクのオーダーの仕方など、プレ花嫁さんに役立つ情報満載でお届けします!